クリードⅡ(CREEDⅡ)の感想、ネタバレ

スタローン・ファンである僕は公開日(11日)の金曜からソワソワしつつ三日間我慢してやっと月曜に鑑賞。

 

1回目の予告以外はみないで出来るだけ情報シャット・アウトして挑んだのですが、冒頭がドラゴ親子の描写からはじまるとは!そこからもう目が離せない離せない

 

と長々と書くつもりはないので単刀直入にいうと、

 

”ロッキーが出来なかったことをドラゴ(イワン)がやる。”

 

もう、これに尽きる。

あのタオルでもう涙腺崩壊。


ロッキーの魅力の一つは

”試合に勝利することだけではない"

ところ。

それをドラゴ親子を通じてああいう風に描くとは!

ロッキーシ・リーズの集大成としてはもうこれでいいと思う。

 


CREEDのタイトルでありながらロッキー8でもある。

 

正直なところアドニスの存在は今回はかなり霞んでしまっていた。

彼なりに頑張ってはいるけどね。
彼の憤りとか色々わかるよ、わかる

だけど、これまでのシリーズをみている故にロッキーとドラゴに注目せずにいられない。


ロッキー4の時のようにドラゴのセリフは少ないが30年を経たあの表情だけで大いに伝わってくるものがある。

いろんな意味で破壊的な作品である”ロッキー4”の作品としての立ち位置をここまで変えてしまうことになるとは!!



演出的に最終試合の後、アドニスやロッキーとドラゴ親子のコミュニケーションは一切なく終わらせてるところがいい。

不要な大団円的ななラストでなく良かった。

 

イワンがビクターと一緒に並走してるショットだけで十分。

 

ロッキーは息子と再会し、アドニスは家族でアポロにお墓参り。


もうこれで僕の中でロッキー・シリーズは終わりでいいと思った。

 

1でのアポロとの出会いから
2でのロッキーの結婚、
ビクターとの再戦はロッキー3を彷彿とするし、父親代わりとも言えるミッキーの死。
4はアポロを失い、もちろんドラゴの登場。

では5は実の息子との関係、

6でロッキーが自分のために戦いを選ぶ物語なわけで・・・


孤独になったロッキーをある意味救ったのは一作目でのアドニスクリード

ロッキー・タイトルの6作での存在感がクリードIIを飲み込んでしまった。

 

クリード・シリーズはまだ続くのだろうか。

これからが映画のクリード・シリーズとしての本当の闘いが始まるのだと思う。

 

2018年劇場鑑賞作品

今年は劇場鑑賞91本を絵にしてみた。

 

今年ベストを敢えてあげるとしたら

"山中傳奇"(4kデジタル修復・完全全長版   79年台湾・香港)

まだ、K's Cinemaで上映中。

http://sanchudenki.com/

見た目の印象以上に驚きがあるよ。

キンフー監督作品は去年同じくリバイバルで「侠女」が最高だったのだけど、それを上回るほど素晴らしい作品。

とても丁寧な作りで妥協ない完成度、そして、トリップ感。

昨今、映画のテンポや省略的表現が加速する娯楽作品が多い中、じっくりシンプルなことを魅せることによる、映画的なリアリティを感じる贅沢な時間を過ごせる。

もうね、これは劇場でみないと分からないよさですよ。

 

スクリーンに向き合い、それのみに集中できることは家で見るのと全く違う。

あらためて劇場で映画をみるよさを実感。

とはいえ、このところNetflixをみる比率が上がってきてるし、劇場見逃し作品が多かったですな。

 

Netflixといえば"ホーンティング オブ ザ ヒルハウス "はとてもいいドラマだった。

あと、最近のだとアルフォンソ・キュアロンの"Rome"はよかった。これは劇場のスクリーンでみたい。

 

で、話を戻すと
劇場鑑賞作品で今年のベスト並みに好きな作品は

"アイ・トーニャ"

"スリービルボード

"フロリダ・プロジェクト"

"1987"

その他まだまだあるけど…

 


ドキュメンタリーでは

"世界で一番ゴッホを描いた男"

とてもよかった。

夢が叶うことは現実に向き合うことでもあり、そこから如何に生きて行くのか、表現するヒトの衝動や意識のあり方に大いに心を揺さぶられた。


あと、文芸座での梶芽衣子特集はとてもよかった。かっこいい!

 

ということで各作品率直な感想添えときます。

 

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キングスマン・ゴールデン・サークル"

(原題:Kingsman :the Golden circle)

安心のバイオレンスでスリルなく退屈。

ジュリアン・ムーアの微妙な怪演はよかった。


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ブリムストーン

原題:Brimstone

本気度が高いヨーロピアンなウエスタン。


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殺人者の記憶法

原題: 살인자의 기억법 

認知症の設定と主人公の本質的な人間性をどう描くか。そこがいい。


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デトロイト

原題:DETORIT

悲惨な話をフィクション交え盛りすぎのように思える。


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スリー・ビルボード

原題:THREE BILLBOARDS OUTSIDE EBBING, MISSOURI 

お母さんの行動にヒヤヒヤする。


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"悪女"(原題:악녀) 

中盤のメロドラマがたるくて残念。


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"ローズ秘密の頁"

原題:THE SECRET SCRIPTURE

ご都合すぎて脱力


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"レディガイ"

原題:THE ASSIGNMENT

ミシェルロドリゲスは好き。 

シガニー・Wもでてた。

けど、つまらなすぎ


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ベロニカとの記憶

原題:THE SENSE OF AN ENDING

ノスタルジーに対するアンチテーゼ

 


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ゆれる人魚

原題:CORKI DANCINGU/THE LURE

とても、魚の生臭さがしてくる作品。


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"ブラック・パンサー" 

原題:BLACK PANTHER

安定のクラシックな物語をうまく現代にアプデートしてる


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15時17分、パリ行き

原題:THE 15:17 TO PARIS

素人感満載のつまらないヨーロッパ旅が絶妙。とても効果的。


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"獄友"

尊厳を持ち生きるという普遍的な動機の縮図をみせられた。本当の意味での楽観的な生き方とはこういうことではと思ってしまう。絶望でないところに目を向け闘う獄友達の姿が熱く心に突き刺さる。


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デビッド・リンチ アートライフ"

原題:DAVID LYNCH: THE ART LIFE 

ブルーベルベットのあの演出は彼のこの体験から来たのか!


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シェイプ・オブ・ウォーター

原題:THE SHAPE OF WATER

猫を食い殺すとこがあっさり過ぎる。 

仕方ないにせよ、飼い主はもっと悲しいんじゃないか?

マイケル・シャノンはとてもいい役者だと思う。


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ペンタゴン・ペーパーズ/最高機密文書"

原題:THE POST

サクッとこういう作品が作れるとこが素晴らしい、スピルバーグ

新聞のアナログ描写がいい。


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リメンバー・ミー

原題:COCO

色がいいね。


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"しあわせの絵の具 愛を描く人 モード・ルイス"

原題:MAUDIE

サリー・ホーキンスイーサン・ホークの演技やバランスがちょうどよい!

 


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ジュマンジ /ウェルカム・トゥ・ジャングル

原題:JUMANJI: WELCOME TO THE JUNGLE

ジャック・ブラックは巧いね。


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"タクシー運転手 ~約束は海を越えて~"

原題:택시운전사 /A TAXI DRIVER

実話ベースのエンタメ具合が流石。


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パシフィック・リム:アップライジング

原題:PACIFIC RIM UPRISING  

合体してもらいたかったな


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アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー  "

原題:AVENGERS: INFINITY WAR

シリーズの中でとてもよいとおもう。


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"パティ・ケイク$"

原題:PATTI CAKE$

婆ちゃんがよかった


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"レディ・プレイヤー・ワン"

原題:READY PLAYER ONE 

シャイニングの中に入ら演出はVRならでは。


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"港町"

カメラがあることから派生する物語


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"ランページ 巨獣大乱闘"

原題:RAMPAGE

白ゴリラとロック様の関係性がいい。


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"アイ、トーニャ"

原題:I ,TONYA

今年のベスト3に入るくらい好き 

虚実織り交ぜた構成が見事。

ラストのセリフはとてもアツい。

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あの襲撃事件自体に関してはバカが忖度するとロクなことがないことのいい例でもある。


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万引き家族

良心(両親)とはなんぞや?と。


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"フロリダ・プロジェクト"

原題:THE FLORIDA PROJECT

現実を突きつけるあのファンタジーは切なすぎる。


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"隣る人"

互いに生きやすい環境は家族以外にもある。


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"ハナ 奇跡の48日間"

原題:KOREA/AS ONE

リバイバル上映)

ベタなスポ根コメディ描写も実話ベースの重さで釣り合いがとれてしまい思いっきり落涙させるエンタメ力がすごい


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"それから"

原題:THE DAYAFTER

ダメな男の苦悩を描く滑稽さが単なる笑いにならないバランスが絶妙。音楽の使い方がが秀逸。


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"女囚さそり 701号 怨み節"

梶芽衣子特集上映)

トーク・ショーもよかったよ。

梶芽衣子カッコいい


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野良猫ロック セックス・ハンター"

梶芽衣子特集上映)

かなり挑発的な内容で現在に通じるものもある。


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曽根崎心中

梶芽衣子特集上映)

極端な演技の役者陣の中でブレずに力強くじる梶芽衣子のひたむきな狂気が素晴らしく調和してる


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修羅雪姫

梶芽衣子特集上映) 

劇画的表現が見事映像的な迫力になっている。


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修羅雪姫 怨み恋歌"

梶芽衣子特集上映) 

物語的にも好み。

ラストの原田芳雄と2人での襲撃が最高にカッコいいい!


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動脈列島

梶芽衣子特集上映)

キルドーザー事件思い出した、


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最後の切り札

橋本忍追悼特集)

佐田啓二の悪党ぷりがいい

 

 

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"七つの弾丸"

橋本忍追悼特集)  

容赦なく悲劇に落ちてゆく群像描写が見事。

三國連太郎の追い詰められっぷりに汗

 

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デッドプール2

原題:DEADPOOL2

1より面白かった


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バタリアン

原題:The Return of The Living Dead

リバイバル

劇場で観れて感無量。

やっぱ面白い。


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バーフバリ 伝説誕生

原題:Baahubali  The Beginning

最初からテンション上がる。

僕は前半の方が好き。


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"マガディーラー 勇者転生"

原題:Magadheera 

見事な伏線回収と展開で劇場が沸いた!

予想以上にすげー面白い。


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バーフバリ 王の凱旋

原題:Baahubali 2 The Conclusion

完全版で納得の出来。


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"ラジオ・コバニ"

原題:RADIO KOBANI

絶望的ななかでも希望も進行してる


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モリーズ・ゲーム

原題:Molly's Game

ケビンコスナーの役が絶妙にいい。

シナリオうまい。


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ファントム・スレッド

原題:Phantom Thread 

音楽も素晴らしい


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"ビッグハウス"

アメリカの縮図


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"藍色大門"

邦題:藍色夏恋 

リバイバル

邦題がよくない。

青春と言いたくないけど切ないさの余韻がたまらない。

今年ベスト3に入るくらい好き


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カメラを止めるな!

ひさびさ劇場の空気が楽しくいい感じになった


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ガザの美容室

原題:Degrade

戦場の中の前ないところにフォーカスを当てた演出はいいとおもう。


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"UN BACICO"

邦題:最初で最後のキス 

同情させるだけでなく若さ故の危うさをしっかり押さえた演出とファンタジーの組み合わせがいい。切ない。


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"バトル・オブ・セクシーズ"

原題:Battle of the Sexes

両者の描き方のバランスが素晴らしい!


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エヴァ

原題:EVA

作品自体が思わせぶり


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菊とギロチン

理想のため、生きるための男女の温度差がみえてくる。


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ジュラシック・ワールド 炎の王国"

原題:Jurassic World  Fallen Kingdom

ゴシックホラー的に描いても派手なモンスターパニックに飲み込まれてしまうよ。

 


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"ゴースト・ストーリーズ"

原題:Ghost Stories

共は舞台らしいけどそっちの方が良さそう。


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ラ・チャナ

原題:La Chana

心と体と生きるパワー


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"クレイジー・フォー・マウンテン"

原題:Mountain

寝てしまったよ


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沖縄スパイ戦史

沖縄で起きたことはマジで本土でも起きかねないことであり、それは今に繋がることでもあること知らされる。

他人事ではない、同じ国で起きたことなんだってこと。


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国家主義の誘惑"

原題:Japan,La Tentation Nation aliste

こういう視点で日本を見ることは大切だと思う。


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インクレディブル・ファミリー

原題:Incledibles 2

前半のアクションは面白い


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"ミッション・インポッシブル フォールアウト"

原題:MISSION:IMPOSSIBLE -FALL OUT

このまま、トムクルーズには突っ走っていってもらいたい。


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タリーと私の秘密の時間

原題:Tully 

ヤングアダルトと対になる作品。

現実的なファンタジー


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ゲンボとタシの夢見るブータン

原題:The Next Gurdian

普遍的でもある親子の関係性と子どもの葛藤、でもそこから現在のブータンも見えてくる。

サントラがとてもいい。


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"ショック・ウェーブ 爆弾処理班"

原題:Shock Wave

ぶっ飛ぶオチがすごい


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アントマン&ワスプ"

原題:Ant-Man and The Wasp

コメディのノリからアベンジャーズへの重要な伏線も果たしてる構成がいい


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500ページの夢の束

原題:Please Stand By

シナリオはいいとおもう


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1987、ある闘いの真実

原題:1987 When The Day Comes

実話ベースだけになやらない演出力と脚色で役者陣も素晴らしい。


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ザ・プレデター

原題:The Predator

怖さはなくなったけどこのくらいメチャクチャにした方が面白い。


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愛と法

まさにタイトル通り。

喧嘩しつつも仲良しな二人の関係みてると希望が見えてくる。


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イコライザー2"

原題:The Equalizer2

1のほうがよかった


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アンダー・ザ・シルバーレイク

原題:Under The Silver Lake 

監督はさぞ楽しかっただろう。


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ごっこ

千原ジュニアの顔力がグー

 

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"ベノム"

原題:Venom

トム・ハーディのゆるさはよかった。


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"ボケますから、よろしくお願いします"

見る側が何を期待するかでかなり見え方は異なるように思う。


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"The Witch/魔女"

原題: 마녀 / The Witch: Part 1 - The Subversion 

ありがちな設定も演出次第で面白くなる!


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スカイライン 奪還"

原題:Beyond The Skyline

続編としては最高の展開!


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"マンディ"

原題:MANDY

劇場でまったり過ごすのに最高。


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ボヘミアンラプソディ"

原題:Bohemian Rapsody

脚色が巧い


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"山中傳奇"

(完全版リバイバル

今年ベスト


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"ヘレディタリー 継承"

原題:HEREDITARY

邪悪な家族ドラマ


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"궁합(相性)"

邦題:ときめきプリンセス婚活記 

面白くなくて残念


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"来る"

楽しいホラー。


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"メアリーの総て"

原題:Mary Shelley

自分の想像のメアリーとの差異が気になるくらい物足りなさがあった。


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"世界で一番ゴッホを描いた男"

原題:中国梵高/Chinese Van Goghs

多分、この年で最も涙してしまった。


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ウインド・リバー

原題:WIND RIVER 

ジェレミー・レナーのよさを再認識した。

 


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女は二度決断する

原題:AUS DEM NICHTS

テーマもさることながらカメラワークがいい。


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"それだけが、僕の世界"

原題: 그것만이 내 세상

盛りだくさんでご都合でもあるけど消化不良を起こさない見事なバランス。


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"恐怖の報酬"

原題:SORCERER

トラック直すシークエンスカッコいい。

 

ホーンティング ep.6の素晴らしさ(ネタバレ)

前回、あまりにも感動し興奮してしまい乱暴な感想を投稿してしまった。

 

Netflixのオリジナル・ドラマ、「ホーンティング・オブ・ヒルハウス(The Haunting of Hill House)」の第6話。

 

 

全10話見終わり、感無量。

近年稀にみる傑作ホラー(幽霊映画)だと思う。

「ザ・ホーンティング・オブ・ヒルハウス」https://www.netflix.com/title/80189221?s=i&trkid=14170286

 

日数もある程度経ったので如何に第6話が素晴らしいか少し語ろうと思う。

 

 

ホーンティングは90年代、クレイン一家が通称ヒルハウス と呼ばれるいわくつきの屋敷に越してくる。その後、ある事件が起こり母親は死亡。5人の子供達は叔母に引き取られ、20年後、それぞれ兄妹達は別々の人生を送っている。

父親であるヒューはその後、子供達はとは別居状態。

ヒルハウス での事件以降家族はバラバラとなり、それぞれ皆何かしら心に傷を負っている。といった感じ。

 

1話から5話まで5人の兄妹がヒルハウス に住んでいた幼少期の過去と大人になった現在が並列的に描かれ、彼らの背景が分かるような構成。

 

ちなみに、ベースとなるロバート・ワイズ監督による'63年の映画"たたり"(The Haunting)は同屋敷へ心霊調査のために呼ばれた女性が主人公。

不遇な彼女自身と屋敷で起こった過去の出来事がシンクロしはじめ正気を失うという心理的なスリラー。

 

映像的にも霊なのかハッキリ描かず、幻覚なのか曖昧な描写で、観客の想像力を掻き立てるような演出。

脅かしメインのお化け屋敷映画ではないのですよ。

 

このドラマも過去と現在が交錯し人の心を描くという点をさらに広げた感じのドラマに仕上がってる。

5人兄妹ということで其々掘り下げて丁寧に描かれてるのも見応えあり。

 

 

で、話を戻すと

このエピソード6は末っ子の妹、ネルのお通夜が描かれる。

実は1話目から妹ネルの死が伝えられる。

要は、1話目から5話目まででヒルハウス で

"第1の悲劇(母の死)"から

"ネルの死"までの期間を兄妹"其々の視点"で語られるわけです。

 

そしてこの6話のお通夜で家族全員が久方ぶりに顔を合わすわけ。

一家の再会がお通夜というだけでもなんと悲しいことか。

 

前話までみている我々は兄妹其々の確執や背景を理解している。

そして、いざ家族が再会するとネルの死の悲しみを共有するどころか、互いにぶつかり合い喧嘩になってしまう。

 

その中にはネルの死を受け入れられないという心理もあるように思える。

 

その悲しみに直面することを避けるが故に皆んな"オレのことわかってくれよ!"モードになり、互いにぶつかり合う。

辛い過去から自分なりに強く生きてきたのに、それが共有出来ていない悲しみもあるんだろう。

 

これまで別々に生きてきた故でもあるし、

一家離散した理由はヒルハウス での出来事=母親の死である。

 

また、その死の出来事には不明な点が残ったまま。

 

そんな過去を振り切り各々強く生きてきたつもり。

 

だが、

過去に引き戻すキッカケになったのが妹、ネルの死。

 

それによっての家族の再会。

 

それは辛すぎる。

 

なんとも痛々しく、悲しい。

慰め合いたいのにそれが素直に出来ない。

ボタンのかけ違い故の問題がここで思いっきり露呈する。

 

 

こういうことって、あるよなぁーと感慨深い。

 

 

さて、このような状況をどのように映像で描くのか?

というところが重要であるわけです。

 

それは長回し撮影。

基本的にワンシーン、ワン・ショットでの撮影。

 

長回し撮影の演出効果として"緊張感の維持"や"臨場感"をもたせるなどあります。

 

本編冒頭から葬儀場で末っ子のネルの死体を前に姉2人のやりとり。外は嵐の音が聞こえる。そして兄と弟の登場。

兄妹の再会、これに引き込まれてしまい冒頭から5分くらい僕はワンショット撮影であることに気付かなかった!

  

もう、すっかり彼らの再会とそのやりとりに没入。

ただ、長回し撮影により、葬儀場での非日常感、彼らの振る舞いが芝居じみてるかのような不思議な緊張感に囚われる。

 

さらにワンショット撮影の演出として面白いのが幻覚の描写。

 

画面上に幽霊が映るわけです。

 

長男のスティーブンはいざ妹の亡骸を前にした後、動揺を隠せない。ネルの棺から去る際、妹の霊をみてしまう。

 

カメラがスティーブンの表情を捉えた後カメラは半回転して視線の先を写す。そこには霊。

"ダルマさんが転んだ"のように彼が振り返るのに合わせてカメラが振り返ると霊が映るのですよ。振り返るたびに近づいてくる。

 

霊は合成ではなく実際にカメラの動きに合わせて移動しているわけです。

 

とてもシンプルな仕掛で新しい手法では勿論ないですが、とても効果的。

 

リアルタイムで彼の動揺した表情(これは現実ではない、幻覚だ!という心理)と実際に霊が立っている。

これがシームレスに描かれるとどこまでが現実かそうで無いのか分からなくなってくる。

 

観ている我々もね。

 

とくに秀逸なのが父親ヒューの登場。

兄弟4人は既に集まっていて、葬儀場のロビーで休んでいる。

そこへ父親が到着。

カメラは4人を背にして父親を捉える。

 

父親は久しぶりの再会で4人を目にして感慨深い表情。

カメラはそんな父親の表情を中心に360度旋回する。

 

すると先ほど写っていた大人4人が子供の姿になっている!(子役に変わってる)

 

そして再び父親の表情を写し、カメラがまた4人を写すと、元の姿に戻っている。 

 

これもリアルタイムにカメラの動きに合わせフレーム外で役者が移動して子役たちに置き換えているわけです。

 

そういったタイミング的なものも素晴らしいけど、ここで大切なのは(先のダルマさんが転んだ幽霊とか)

 

登場人物の"主観"の世界を途切れずに描いているというところ。

ワンショットでね。

 

この時、父親のヒューは再会した子供達は大人の姿でなく"あの時"の姿で見えたわけですよ。

 

 

彼の目にはまだ可愛い子供達なんですよ。

 

 

これは実にリアル。主観的にね。

(でも現在、彼はある事情で息子たちに疎まれている存在。つらいね)

 

 

これがこれまでのエピソードからの"映像手法の構成"から踏まえても実に見事なのです。

 

どういうことかというと、5話目までと先に述べたように"現在"と"過去"が交差する形で描かれていたわけです。

それらは、カット割りを多用した"平行モンタージュ"(過去と現在のショットが往き来する編集)

 

そして、このエピソードで家族が再会した時、カット割りを使わずに、登場人物たちの"今"と"幻"(主観)が織り混ざったシームレスな世界が描かれる!

 

これぞ、リアルな彼らの世界。

 

そして、カメラは父親を追尾する。

葬儀場を彷徨う彼は過去のヒルハウスの世界に入り込んでしまう!

 

彼ら一家がかつて住んでいた屋敷でのある嵐の晩へ。

 

これも絵的にもワンショットでシームレスに過去へつながるのですよ。

(実はあるタイミングでカット割りしてるけど気がつかないようにさりげなく繋いでる)

 

そして再び現在へカメラが戻ると、

家族みんなで"その過去"の思い出話しをしているという構成。

 

そこから再び過去へもどりまた現在へと…

 

これが地続きに展開する。

 

完全に"過去"と"現在"がつながってしまうのですよ。

 

 

ワンショット撮影で描く意義はここあるわけですよ‼︎

(それと計算されたカメラワークと役者陣の配置と構図が素晴らしい)

 

"過去の嵐の夜"で描かれているものは何かというと、

 

嵐で"停電"した屋敷で末娘のネルが姿を消してしまい、子供達はパニックになり、両親は娘を屋敷の中を探しまくる、という恐怖の一夜。

 

みんな必死でネルを探すわけです。

 

 

そして、現在では…

 

再会した家族は父親含め、先に述べたように口論になってしまう。

ネルの死を受け入れられない故に、

久しく断絶していた故に、

家族みんな己の怒りや恨み、隠していたことが噴出。

 

こちらも停電。

 

ネルの存在(死)をそっちのけで

家族喧嘩。

 

とても痛々しい。

 

そして過去

父親のヒューは屋敷で超常現象的なものを目撃する(なかなか不気味)

そして、

姿をくらました幼いネルは屋敷の中で発見される。

 

幼いネルは泣きながら訴える

 

「私はずっとここに居たのに、なぜ私が見えなかったの?」

 

 

そして"現在"

葬儀場のネルの棺桶の前で家族の口論は最高潮。

 

すると、彼らの後ろにあるなるの棺桶が

 

 

ガタン!

 

 

と大きな音を立てて棺桶を支えている台の脚が折れて倒れる。

 

その衝撃でネルの腕がダラリと棺桶の外に。

 

 

家族一同呆気にとられる。

(ここで初見の僕は鳥肌マックス+切ない気持ちで一杯)

 

 

そして沈黙。

 

家族みんなでネルを棺桶に戻し位置を整える。

 

ここで、みんながやっとネルの存在を意識するわけです。

 

これまでワンショットだったものが

通常のカット割りを入れた編集に戻るのですよ!!

(そして停電もなおる)

 

ここで初めて悲しげな曲が流れる。

(それまでは音楽なしで嵐の環境音のみ)

 

ワンショット撮影の緊張感を維持した見せ方ではなくなり、画的にも落ち着いた感じになる。

という構成。

 

その後、冷静さを取り戻しネルに向き合い、その場を去る。

 

そして誰もいなくなった葬儀場。

ネルの棺桶の傍らにネルの死んだ時の姿(霊)が立っている。

 

その画に合わせて、

過去のあの幼いネルのセリフがまた流れる。

 

「私はずっとここに居たのに、なぜ私が見えなかったの?」

 

 

悲しすぎるー!

 

もう見事な構成としか言いようがないですよ。

(幼い頃からネルの前に現れる幽霊がいる。それは常にネルを怖がらせていた。それが将来のネル自身の死んだ時の姿だったことを我々は知ることになる。これも過去と現在が繋がる)

 

しかも、怖さと悲しさがミックスされそこはかとない切なさに心が揺さぶられる。

 

もっと細かいとこも語りたいけどこのくらいにしとくけど、

この"過去"と"現在"、そして登場人物たちが見てしまうもの(幻影)は実のところ"これまで彼らが目を逸らしていたもの"でもあるのですよ!

 

そして最も背けていたものはネルの死であり、

あの彼らが住んでいた"ヒルハウス の存在でもあるわけです。

 

そして物語の展開的にも後にヒルハウス の事件(母の死)の真相を求めることにも繋がるわけです。

 

これまで皆一家離散した状態で自分なりに過去に対して決別して生きてきたつもりがそうではないことに気づかされるわけですよ。

 

兄妹5人のの中でネルが最も穏やかで優しい存在だったが、それ故か心を病みある事をきっかけに自殺してしまったわけ。

で、このエピソード見た後、もう一度一話目から見ると実に巧みに練られた構成であることがわかる。

また、兄妹のネルに対するそれぞれの思いがみえてくる。

 

もう一つ、ワンショット撮影の演出で注意するといいのが、本編の中でカメラがどの人物をどのタイミングで追って捉えているのか、というとこ。

それぞれの演技や心理描写が素晴らしいよ。

 

怖がらせるビッリ演出のためのワンショットではないのですよ。

(また技巧的にもワンショット凄いだろという目的の使い方ではない)

 

 

僕にとって如何に人間の心を表現できるか、描けるかが幽霊映画の重要なポイント。

 

 

と、ついつい長く書いてしまった。

 

 

ちなみにワンショット撮影で現実と幻想(妄想)がシームレスつながり、境界がない描き方といえば、最近のだと"バードマン"がそれね。

これはVFXを駆使して3日間の出来事を2時間で描いてる。これもいい作品。

https://youtu.be/_XOBBmyYNJA

 

 

さて、ワンショット撮影は工夫すると主観的な世界を"リアル"に描くということが可能であるなと改めて思う。

映画的な"リアル"ね。

 

そんで、作品にのめり込んで見た人はこのエピソードがワンショット撮影であることすら気がつかないと思う。

そこが大切。

ワンショットの技巧的な難しさをアピールするためではないからね。

 

そういう意味でやっぱこのホーンティングでのこの演出は最高に素晴らしい!

 

ep6 のメイキング

https://youtu.be/n8gJ81M39Ig

ザ ホーンティング ep6 ネタバレでないけど

Netflixのドラマ、ホーンティング・オブ・ザ・ヒルハウス 

途中経過での感想をいいたくなったのですよ

 

でも、未見でこれから見る人は知らなくていいとおもう。

 

ぼくは初回の驚きや感動体験は二度と味わえないものなのだと考えているので

 

途中の感想で見る側の気持ちを誘導もしたくないので

(今回は特に)

 

 

ディテールや分析しながら見ることは後で何度もできるのでね。

 

 

それほど初見は大事

 

 

 

もちろんいい作品はネタバレしようが

よさは分かるけどね。

 

 

ま、楽しむ目的にもよるけどね

 

 

と前置き長くなったけど

 

 

 

まだ全話見てるわけではないけど

 

 

ここから大雑把な感想というか…

 

 

 

 

 

 

すげぇー!

 

 

いろんな意味で鳥肌

 

 

エピソード6

 

 

素晴らしいね‼︎

 

もうゾクゾク

 

怖いだけじゃなくてね

 

 

圧倒的な出来映え

 

 

これよ、これ、こういうの

 

 

 

前エピソードまでの構成ふまえて

 

 

わぉ!

 

大いに感動

 

 

いろんな意味でね

 

 

 

つぎのepみるのがもったないくらい

 

 

はぁ…

 

 

ちゃんとした感想はまたいつか

 

 

よし、寝るぞ!

 

 

バタリアンの思い出

国立映画アーカイブ(旧フィルムセンター)で「バタリアン」の上映。

NFAJ所蔵 現代アメリカ映画選集 | 国立映画アーカイブ

 

すげー熱烈なファンではないけどバタリアンに小5の僕は衝撃を受けまくった。

初見が金曜ロードショーでその後はビデオなのでスクリーンではみたことがないのですよ。

(なので今回の上映が楽しみ)

水野晴郎 解説 バタリアン - YouTube

この、金曜ロードショー水野晴郎氏の解説がいたく懐かしい。 

バタリアンのサントラも印象的。

 

 

バタリアンは原題がThe Return of the Living DeadでロメロのNight of the Living Deadの続編的なパロディで85年の作品。

監督、脚本はダン・オバノン

名前がバタリアンとオバンバが混ざった様なニュアンスでとても印象深い。

彼はエイリアンの脚本で有名ね。

その他、スペース・ヴァンパイア、スペース・インベーダー(Invaders from Mars)、ゾンゲリア(Dead & Buried)などなど80年代のSFホラー手掛けてるけど、どれも素晴らしい!

ちなみに"スペース・インベーダー"ははじめて僕が1人で映画館へ行ってみた作品(同時上映はショートサーキット)

 

当時はそんなことは知らず「バタリアン」をテレビでみたけど、怖くてビビった。

 

今見ると明らかにコメディ映画なのだけど10歳の僕には刺激が強く、そう受けとるには時間がかかった。

 

序盤にゾンビ・ガスにより倉庫の標本が蘇るとこ、特に犬ね。真っ二つにスライスされた標本の犬がキャンキャン鳴いてるのは可愛そう+不気味だし、さりげなく蝶の標本がピンで止められたまま羽ばたいてる。あーいう描写すごいね、生々しい、今改めて見ると素晴らしい演出。

 

そんで検体用の死体の復活。

全裸で走ってくるのが怖い怖い!

肌の色もなんか黄疸ぽくて不気味。

絶妙な死体色。

かなりビビった。

しかもバラバラにしても各パーツ動いてるし。

バタリアンでは脳を破壊されても死なない設定。

 

死なないというか活動停止しない。

 

ビニール袋に入れても各パーツがガサゴソと動いてるのが想像を掻き立ててコワイ。

 

燃やすしかないんだよね、ゾンビ達は。

 

そんで燃やすとその灰を浴びると人間はゾンビ化してしまう。

という悪循環!

(ここで描かれるゾンビは軍による実験で死体が蘇ったという設定。化学薬品に浸されてるから焼却するとその成分が飛散する。物語の冒頭で諸々それらの説明が自然にされるシナリオが見事)

 

核による死の灰を連想させるのでやはり僕はビビリまくった。

 

当時の僕の担任の先生は道徳の時間かとかで原爆、核の恐怖(反核)やホロコーストの写真集とか持ってきてみせる人だったので戦争、虐殺、核とかの恐怖が相当植えつけられていた。

 

で、僕にとっては86年にはチェルノブイリの事故の影響もでかい。あの時は怖かったー。

学校行く前にニュースでチェルノブイリの事故報道をやってて、放射能の灰が日本にもやって来る!とか過剰に怯えてた。

 

その日の図工の時間に同じくチェルノブイリで不安になっていたクラスメイトが担当の先生に質問していたんだけど

 

彼は"核の灰は3、4日で日本にやって来るよ"

 

陰ながら僕は聞いていて1人恐怖していたのを思い出す…。

 

 

ということがあっただけに、僕にとってバタリアンの設定はそれらを具現化してるようで恐ろしかった。

(実際、当時はまだ冷戦中であったので核の恐怖は実際作品に反映されてただろうね)

 

劇中、ゾンビ灰入りの雨を浴びて人々は痛がる描写。酸性雨の濃い的な雨ね。こういう描写大事だね。

 

そんで寒いーとかいって、具合悪くなって徐々に死体化。

生きているのに死後硬直が始まる!

"死後硬直"という言葉もこの時知った。

 

ビビりながらみていると

中盤、チンピラ・グループが墓場でパーティーするんだけど、その中でパンクな女がゴキゲンなノリで全裸になって墓石の上で踊りだす。

幸運にもその時は僕1人で見ていたのだけど、怖がっていた最中での裸なので安心してエロさを受け止める余裕がなく、戸惑ってしまった。

 

同じ全裸でも序盤の検体ゾンビと対照的。

しかも、当時の僕にはなぜ裸で踊りだすのかイマイチ理解し難いものだった。

スッポンポンで堂々と踊る姿は衝撃的過ぎて、あれは僕の見間違えだったのか?幻か?とまで思ってしまった。

当時、ビデオがなく録ってなかったので見直すのはしばらく先のことになる。

 

その時、ゾンビ灰入りの雨が降り注ぎ全裸女はその後ゾンビ化。

 

でその後、ゾンビ達を率いて人々を襲うわけですよ。

ちなみにバタリアン(Battalion)は邦題だけど大隊とかいう意味。

 

てっきり、造語でゾンビのことを指す名前かとしばらく思ってたよ。

 

バタリアンの革新的な設定はゾンビはバラバラにしても死なず、灰を浴びるとゾンビ化するというとこ。

そして、"脳"が好物であるという設定はインパクトでかい。

彼らはゾンビでいることの肉体的な苦痛を和らげるために人の"脳"を求めてしまうのですよ。

 

この設定の素晴らしいところは、脳を求めるので他の肉(部位)を喰わないという点。

 

これなら、人間襲っても脳ミソだけ食べしまうので食い残し問題は解消される。

(襲われた人間は全身食べられてしまうとそもそも物理的に存在しないのでゾンビにならないからゾンビの数は増えにくい)

脳だけ食べられるので体はあるのでそれらがゾンビ化するのでゾンビの数は増える!

 

劇中、ゾンビどもが「脳ミソ〜!」と脳を求めて叫ぶ姿が印象的。

 

実際、翌日学校で、僕はいつもの友達と"バタリアンごっこ"ですよ。

ふやし鬼(鬼ごっこで捕まると鬼は交代せずに増殖する鬼ごっこ)で鬼になったら脳ミソ〜と叫びながら(あえてゾンビっぽく遅めで追いかけるという遊びをやってた。

 

(ちなみに、その前は"エイリアン"みて同じような"エイリアンごっこ"したのを覚えてる。楽しかったなー)

 

いちおう、捕まったら脳みそ喰われる演技入れて、ゾンビの足が遅いのでエリア限定しての追いかけっこで遊んだ。

もう、僕の中では昨夜見たバタリアンの世界ですよ。

 

当時の僕の周りには同じような映画好きな友達がいたのでこういうことよくやっていたのです。

(これはこれで面白いことがあるのでまたいつか記します)

 

バタリアンは怖い映画体験だった故に敢えてそれを再現して恐怖心を克服するということをしていたのだと思う。曝露療法ってやつですね。

 

バタリアンで印象的なキャラクターは

"タールマン"

全身ドロドロでタールまみれで骨が露出しる容貌。

そんでデカイ。今見ても見事な造形。

The Return of the Living Dead (8/10) Movie CLIP - Punks vs. Zombie (1985) HD - YouTube

 

これはインパクト大。

 

同時、僕の小学校では田植え→稲刈り→収穫→餅つき、という学校行事があったのですよ。

 

そんで、田植え後は案山子を作るのですよ。

しかも父母参加授業でね。

 

 

ここからが本題なのです。

 

クラスの中で各班ごとに案山子のデザインを決めて、後日の父母参加授業で親子で案山子を作るという流れ。

 

僕はタールマンに心を奪われていて、タールマンの案山子を作りたかったわけです。

班の中ではタールマン案山子にOKが出たのですよ。

 

素材は紺色のジャージ(学校指定のジャージのお古を使える)と黒いゴミ袋。それらをボロボロにして組み合わせる。

腕は肩からだらりとぶら下げて風でブラブラさせる。

目玉はピンポン球で歯は発泡スチロール。

 

デザイン画を描いたわけですよ。

 

 

よーし、これでタールマン案山子ができるぞー!

 

やる気満々

 

 

そんで、父母参加授業の当日。

 

各班ごとに案山子を作ることに。

骨組みとなる竹と藁は学校で用意されている。

 

画用紙に描いたタールマンのデザイン画を手にした僕。

 

にもかかわらず、同班のA子の親父が仕切り始めた。

 

手際よく竹を十字に組み立て、藁で肉付けし始めた。

 

あれ、なんか違うぞ!

腕はぶら下げにしたいのに定番の両腕を水平に伸ばした案山子を作り始めた!

 

これは違う!

俺たちの作りたい案山子はこんなんじゃない!

 

デザイン画をA子の親父にみせるが、

無視される。

 

どんどん手際よく勝手に作っていく。

 

おそらく彼からしたら手慣れた作業で張り切ってやってるつもりなのだろう。

聞く耳を持たず、典型的な普通の両腕を広げた案山子を作っていく。

 

当時の僕はそこまで押しが強くなく、

うまく意思を伝えられないでいた。

弱気。

 

あー、もう腕はだら〜んと垂れ下げられない!(風で揺れるのを想定)

 

しっかりと水平に広げた両腕が作られてしまったのだ。

 

で、彼は

「着せるものは?」

 

僕らはタールマンを作るつもりなので紺色のジャージと黒いゴミ袋しかない。

 

A子の親父「これしかないのか⁈」

 

もう完全にデザイン画みてない。

みてくれない。

というか分かっていないのだと思う。

 

くそー!勝手に作ってやがる!

 

無理矢理、紺色のジャージを着せて

更に黒いゴミ袋を巻きつける。

 

なんとも無残な姿。

 

ジャージの生地はボロボロに割いて質感を表現したかったし、何よりも腕はぶら下げたかった…。

 

A子の親父の頭には普通の案山子しかなかったのだろう。

 

結果、見るも無残な両腕を横に伸ばした目玉と歯しかない顔の案山子が完成。

 

本来、思い描いていたタールマンとは程遠い案山子が完成。

 

 

ワンマンな親父の押しの強さに誰も異を唱えられなかった。

 

全くタールマンじゃねーよ!

 

俺の作りたい案山子はこんなんじゃねー!

 

弱気な自分を呪うしかない。

 

今思えば、A子の親父は彼なりに

 

「案山子作るどー!おれは作り方知ってるどー!おれに任せろー!」

 

と張り切って無我夢中で案山子作っちゃったんだろうとは思う。

 

ワンマンぶりに誰も止められないまま。

他にも親いたのになんもしてなかった。

 

何よりも、我々が何を作りたかったのかが伝わってないことが残念と同時にやるせない気持ちでいっぱい。

 

A子の親父に気圧されてしまったのだ。

 

こういうのを作るつもりだ!

と僕は意を決してデザイン画を見せたけどスルー。

 

あー、情けない。

残念な気持ちは今でも思い出せる。

もっと強く主張出来たらなと…。

 

悔しいのは敢えて紺色の生地と黒ビニールだけで作りたかったわけなのに、(案山子に着せる)服がまともなないとA子の親父に言われたことだ。

くそー!

 

つい人は、自分ができることや得意なことがあると必要以上にやり過ぎてしまう時がある。

自分1人でならいいけど、周囲の意見や意図を無視して暴走する恐れもあるということはある程度意識していた方がいい。

良かれと思いつつも、他者の意見というか意図してることを聞かないということになりかねない。

これは逆に現在の僕が気をつけるべきことでもある。

と同時に弱気さからの妥協はせずに意見は主張する。そこ大切。

 

 

 

さて、学校での稲刈り後、

収穫祭として収穫した餅米で餅つきして、

校庭の真ん中でウィッカーマンの如く案山子達と藁を焼くのですよ。(ついでに焼き芋も焼く)

 

こんな案山子なんかさっさと焼かれてしまえ!

燃えて、灰は空へと舞い上がる

 

あの出来損ないのタールマンの姿は今でも鮮明に覚えている

 

 

 

 

ブログはじめる

かなり昔ブログやってたのを先日発見したけど、もう消しちゃった。

当時ハマってたウォーハンマー(ミニチュア・フィギュアを組立着色してから遊ぶゲーム)についてばかり記してあった。f:id:magickoba:20180906005607j:image

当時作っていたやつ。背景つけて写真撮ったりしてた。f:id:magickoba:20180906005612j:image

f:id:magickoba:20180906005842j:image

↑こんな感じで合戦をするわけです。

余程入れ込んでたね当時は。

ウォーハンマーは時間と金と視力をかなり消費してしまうのでやめて、ボードゲームに本格的にシフトした。

もう10年近く前かな。

 

新たにブログやることにしたよ。

 

ちなみに今度の日曜にボードゲーム会やります。詳細こちら↓

https://www.facebook.com/events/229587684379186/?ti=ia